仕事ができる人間は複数のタスクを並行処理している


サラリーマンをやって早20年強、この間、いろいろな人を見てきましたが、仕事ができる人とそうでない人の差っていったいなんなのか、わかってきたつもりです。

不真面目な人は論外として、同じくらい仕事をしていても、コイツはできる、アイツはできない、なんて評価がわかててしまったり、そんな経験ないでしょうか?

実は同じ仕事量でも進め方によって他人の評価がわかれてしまうことって結構多いんです。今回はそんなことを書きます。

まず、サラリーマンの仕事って、複数のタスクが同時進行します。サラリーマンじゃなくても複数タスク進行は同じかもしれませんが、組織で動くサラリーマンは基本的に複数タスクを受け持ちます。

で、それぞれのタスクは1人の上司から指示されたものではなく、いろいろな部門の担当者から依頼や指示があったものです。Aというタスクは経理から、Bというタスクは営業から、という感じに。

サラリーマンは組織なので、タスクも1人の上司から与えられると思われがちですが、実際はもっと複雑でいろいろな部門間のコミュニケーションで成り立っているものなのです。

簡単な図にするとちょうどこんな感じです。

 仕事のできない人の特徴

仕事ができない人のパターンは、それぞれのタスクを直列に処理する傾向があります。

下の図のように、タスクAをやり始めたら、タスクAが終わるまでタスクAのみを進め、終わったらタスクBを開始するみたいな。


そうなると、最後のタスクEはずっと後になりますよね。タスクAが速く終わる一方で、タスクEは開始も終了も遅くなり、Eを依頼した人にとって不安を与えます。結果的に相手から仕事の遅い人だと思われてしまうのです。

仕事のできる人の特徴

今度は仕事のできる人のパターンです。

先ほどとは逆に複数タスクを横串に処理していきます。ちょうど並列に処理しているような感じです。

タスクA〜Eを終えるのは直列方式と理論上変わりません。しかし、他の人からは仕事が早いと錯覚されます。それはなぜか?

並列処理は、各タスクが着実に進んでいることが見えるので、とにかく「着実に進んでいる」と感じることができます。直列方式の場合はタスクEがいったいいつ始まるのか?もしかして放置されてしまっているのか?といった不安を持たれますが、並列方式はそんな不安はありません。

なので、結果的には同じスピードであっても並列処理が周囲から仕事が早いと錯覚させることができるのです。

まあ、実際はもっと複雑ですが・・・

わかりやすく両極端な例を出しましたが、人間ですので100%直列、100%並列というわけではありません。実際はもっと複雑な動きをしています。

ただ、仕事のやり方が直列傾向か、並列傾向はひとによって変わります。組織の中で仕事をする以上、どれだけ並列処理に近づけるかがポイントなのです。

並列寄りに仕事ができるよう訓練が必要なんです。

並列処理は頭が混乱する

仕事は直列処理の方が楽です。並列処理はタスクが細かく細切れになり、タスクの切り替わりが激しいので、切り替わった際の時間的なロスが出てしまいます。どこまで進んでいたかとか思い出したり…。

実はここに「頭の良さ」「キャパシティの大きさ」が関係しますね。

僕は常にどうやって並列処理できるか考えながら進めていますが、頭のいい人は(少なくとも端から見て)苦労せず、あるいは何も考えなくとも並列処理に近い仕事ができているようです。頭がいいので頭の中で整理できるんでしょうね。

誤解を恐れずに言えば、比較的高偏差値の高い大学を出た人に、並列処理をうまいのが多い傾向があるような気がします。下手な人もいますが、上手い人の割合は多い気がします。かつて膨大な勉強量を効率よく処理してきたからでしょうか。

僕はそんなに頭が良いわけではないようなので、常にどうやって並列処理できるか(要は要領良く仕事するか)を考えています。何か良いツールがあればいいんですけどね。

これから就職する学生さんはこんなことを頭の片隅に置いておくと良いと思いますよ。