よくドラマで上司とケンカになって、「俺が責任とりますから!」って叫ぶ若手ビジネスマンの姿ってよく見かけると思いますが、その時の「責任」って何のことだろう、というお話です。
サラリーマンにおける「責任」とは具体的に何でしょうか。
単純に考えると、責任取るということは、失敗したら会社を辞めるということと受け取りやすいですが、果たしてそれは正しいのでしょうか。
ドラマだったら成立するかもしれませんが、実際の会社の中では従業員ごときが、失敗して責任とって会社を辞めるなんてあり得ません。社長ならともかく従業員レベルでは会社を辞めることが責任を取ることにはならないんです。
ドラマだったらスパっとやめたらなんかカッコいいんですが、実際には失敗して辞めてしまったら、「逃げ」と捉えられるでしょう。
それは責任をとったとは言いません。
では、サラリーマンにおける責任とは何か?
それは、一口で言って「説明責任」です。別の言い方をすれば、「後始末」と言っていいかも。サラリーマンが失敗すれば、会社内で関係部署に説明を求められますし、時には厳しい追求も受けます。顧客に迷惑をかければ当然顧客まで出向いて謝罪と説明が必要です。
「責任を取る」ということは、これらを一手に引き受けるということなのです。
部長クラスともなれば会社の規模によるけど社長に説明することもあるので、もし、若手が部長クラスに「俺が責任とりますから」って言ったら、失敗した際はその若手は社長への説明を引き受けるという意味を持っています。
「責任とります」と言った若手にこんなこと言ってみた
かなり以前のことですが、ある案件について後輩から「俺が責任とりますから」と言われたことがありました。「あ、そう。じゃあ、失敗したら○○会議の報告よろしくね♪」
と言ったら、エッッ(゚〇゚;)って顔されました。
その、○○会議とは厳しい追求があることで有名な会議で、報告者はさながら被告人のような扱いを受ける会議です。
その後輩がもし失敗したら僕がその会議で説明する責任があったので、「俺が責任取る」と言われた時に、てっきりその会議の報告をやってくれるものだと思いました。...が、そこまでは思っていなかったようです。
「そ、それは〜...」みたいな。
「え?じゃあ、責任取るって何するの?」って聞いてみたら、しどろもどろ。あんまり考えていなかったようですね。
責任を取ると言った相手の責任を追うことが「責任」
テレビドラマだと、責任を取る=会社を辞める、みたいな描き方をされがちですが、失敗したあとに辞められてしまったら、その残務処理を残った人間がやらざるを得なくかえって迷惑です。責任とって会社を辞めるのは、あくまで社長のような経営者レベルの話。
サラリーマンにおける責任とは、「説明責任」のことであり、組織の階層によって説明すべき範囲は変わってきます。
「責任とります」と言った相手の責任を追うことを示しており、つまりその相手の説明責任の範囲を引き受けることなんですね。
うっかり部長クラスに「俺が責任とります」なんて言っちゃったら、失敗した際に社長クラスへ説明することになり、そこでも追求を受けなければならなくなるので、簡単に言わない方がいいですよ。