うちはホワイト企業なのですが、今の若い後輩に昔のブラック企業時代の話をすると喜んで聞いてくれます。
子供の頃おばあちゃんやおじいちゃんに戦時中の話をよく聞かせてもらいましたが、ちょうどそんな感じなのでしょう。
なので、ブログでもサクッと書き留めておきます。
時代的には今から20〜25年前の話です。僕が入社したのがちょうど25年前なのでそれ以前のことは知りませんがたぶんもっと酷かったのでしょう。少なくともよくはなかったはずです。
昔を懐かしむとか昔は良かったなんて言うつもりもなく、おじいちゃんから戦争の話を聞くテイで読んでいただければと。
残業時間は150時間くらい
今となってはほぼノー残業(とは言っても月10時間くらい)ですが、かつてはその10倍くらいやっていました。ちなみに、200時間を超えているヤツはごろごろいて、「あいつ大変だな…」って同情していたのですが、自分がマシだと思っている時点で頭がやられていたのでしょう。
月150時間となると当然休日出勤は当たり前のようにやっていて、たぶん3ヶ月に1日くらいだったんじゃないですかね。休日が。
ほぼ7日間勤務という荒業をやっていたのです。
20代だったから体が持ったんだと思います。もし今やったら確実に過労死しますね。
残業時間が150時間と200時間とでは目くそ鼻くそだと思うかもしれませんが、実はこれは大きな隔たりがあって、「夜12時を回るかどうか」のちょうど境目くらいなんです。
もちろん休日出勤の状態にもよりますが、うちではちょうど午前様になるかどうかの境目が150時間と200時間との間あたりにあったんですね。
僕は会社出るのが22:00〜22:30。11時を過ぎるのはたまにしかありませんでした。休日の勤務時間は短めで6時間強、という感じで、これでだいたい月150時間となります。
これを200時間やろうとすると、夜中12時過ぎまでやると200時間になるわけですね。そんな感じです。
これはうちの会社だけじゃなく、全国どこでもそんな感じで、そうそうたる大企業であってもむしろ残業過多な環境でした。
僕は以前親会社(超大企業)に行っていたことがあるのですが、夜中の2時過ぎでも事務所には部長以下全員が普通に仕事していたので、ここじゃなくて良かったと胸をなでおろしたことを思い出します。
残業代は5時間分
さて、そこまで残業したらさぞかし手当がいっぱいつくだろうと思うかもしれませんが、そんなことはありません。そもそもタイムカードというものがなかったので証拠がどこにもありません。
残業代は締め日の前の日に課長あたりから「今月は5時間ね」と言い渡されるのみでした。
これは各社ばらばらで、残業時間がきっちり出る企業もあったらしいです。また同じ会社内でも業績が良いところは比較的多めに出た(それでも30時間くらい)ということもあってバラバラです。
僕が配属されていた部署は平均5時間、ゼロという月もありました。
今となっては完全にアウトでしたが、以前は労基の対応も甘かったのでしょう。(そもそも労働基準監督署なる機関の存在すら知らなかった)
夜中でも会社から呼び出しの電話
これは特殊なケースかもしれませんが、僕は製造系エンジニアなので担当する現場の製造ラインの管理をしているわけですが、その現場は24時間稼働しています。もし、現場で何かあれば夜中だろうと休日だろうと電話がかかってきて、電話で済まない場合は会社に直行しなければなりませんでした。
会社からは携帯電話が支給されていて寝るときでも枕元に置いておくよう言われていたくらいです。
次の日、ようやく休みが取れてディズニーランドに行こうと思っていた前日夜中に電話がかかってきて、会社に直行、対応の後帰宅したものの目が冴えてしまっていて眠れず、そのまま車でディズニーランドまで運転していったこともあります。(ちなみに日帰りだったので帰りも運転)
製造系の会社のエンジニアはみんなそんな感じだったんじゃないですかねぇ。
そんな状態で自殺者は出なかったのか?
そんな働き方をして過労自殺するヤツはいなかったのか?という疑問を持ったかもしれませんが、少なくとも家の会社ではありませんでした。あとは精神疾患になる人もあまりいなかったですね。今のほうが俄然多いです。
これは、みんながみんな残業過多だとそれが当たり前だと思ってしまって、思い悩むことがなかったんだと思っています。今は働き方が多様な分、他者との比較が良くも悪くもできてしまうので悩んでしまうきっかけとなってしまっているんじゃないかな。
そういうこともあって、自社での精神疾患に罹る人や自殺者はいませんでしたが、ただ、噂で他社で自殺が出た話は何件か流れてきたことがあります。真偽は?というと、内1件で個人的に付き合いのある人がいて、その会社の知り合いに聞いてみたら”事実”と言っていました。
で、今だったら大々的に報道されますが、当時はまったく報道されず。あまりにも件数が多くてニュースにならなかったのか、それとも…
20年以上前は他の業種でもそういう環境でしたね。いまホワイト企業って言われているところも昔は超ブラックでした。自殺者はいたけどニュースに出てきませんでしたね。たぶん広告費に物言わせて握り潰...おっと誰か来たようだ— satoshi@非IT系プログラマ (@satoshiU71) 2019年4月11日