住宅ローンは少額でも繰上げ返済すると返済額が大きく減るよ。その仕組みを解説。


持ち家やマンションの購入で避けて通れないのが、多額の住宅ローンです。

借入額や返済額は人それぞれですが、おおむね20年から30年くらいかけて返済していくと思います。

僕は33歳の時に一戸建てを建てるために銀行から2000万円を借り入れして、20年ローンで組みましたが46歳にして全額返済しました。

10年強程度で完済です。それができた理由は繰り上げ返済です。

支払期間を短くするだけでなく、利息を大きく減らす効果もあるので、繰り上げ返済は絶対におすすめです。

それと、繰り上げ返済のやり方次第で利息の減りが大きく異なるので、よく考えて返済しましょう。

今日はそんな話です。

利息の基本的な考え方

まず、利息の基本的な考え方ですが、年度初めの元本残金×利率=その年に支払う利息となります。

年度初めに元本が1000万円で、利率が2%だとしたら、その年に支払う利息は20万円です。

返済額の年トータルが150万円だとして、利息を差し引いた130万円が元本の消費分となります。

なので、次年度の元本残額は870万円となり、その年の利息は870万円×2%=17万4千円となります。だんだん元本が減って利息もそれに応じて減っていくわけです。

元本の多い最初の頃にどれだけ繰上げ返済できるかが、その後の返済に大きく影響します。

30年ローンをシミュレーション

ここで、一般的に多い3000万円の30年ローンの返済シミュレーションをしてみましょう。

三井住友銀行の返済シミュレーションを参考にExcelで以下のようなものを作りました。

金利は1.7%固定と仮定します。毎月の返済額は70,959円、ボーナス返済額は213,455円とします。(下表の単位は万円です。)繰上げ返済は一切していません

そうすると、借入金3000万円に対して、総支払額は3860万円だということがわかります。860万円を余計に支払うわけです。


繰上げ返済のシミュレーション

次に繰り上げ返済2パターンをシミュレーションしてみましょう。


  • 左表: 毎年50万円を繰上げ返済
  • 右表: 5年おきに250万円を返済

いずれも、返済期限を21年まで短縮できています。繰上げ返済額も21年間で同額です。

ところが、左表パターンの方が60万円も少なく返済できています。ここが繰上げ返済の大きなポイントなのです。

繰上げ返済は速ければ早いほど良い

繰上げ返済は、ある程度お金が貯まったら実施する、と思いがちですが、実は少額でも年単位で返済した方が総支払額は少なくなるのです。

なぜそんなことになるのかというと、冒頭で説明した通りなのですが、もう少し詳しく説明すると、下の図の通り、年度ごとに返済していった方が元本が徐々に減って言って結果的に利息が少なくて済むわけです。(青い〇のところ)

利息が少ない分、元本の減りは速くなります。

そして5年目で、左のパターンは5年分の貯金を繰上げ返済するわけですが、それであっても、元本は右パターンより多く残ってしまいます。(赤い〇のところ)





これが、繰上げ返済のコツです。

まとまった金額が貯まったタイミングで繰り上げ返済しようなんて思いがちですが、実はそうではなく、少しでもいいので年度ごとに繰り上げ返済を実行していくのがコツです。