WakatteTVが炎上している。
ネット上では「学歴厨め」「潰せ」「消えろ」みたいな声が飛び交っている。気持ちはわかる。ああいう露骨な学歴自慢や下位校への嘲笑を見れば、腹が立つ人も多いだろう。
でも僕は彼らを叩いて潰したところでどうしようもないと思う。
学歴至上主義が生まれる根本原因は、大企業を中心に今も厳然と存在する「学歴フィルター」にある。
四大商社やメガバンクの採用実績を見てみればわかるけど、旧帝大早慶がほとんどを占め、日東駒専クラスはほぼ皆無。これが現実だ。企業がそうやって入り口で大学名でふるいにかけるから、塾業界が過熱し親は焦り子どもは塾に通わされ偏差値競争が過熱する。その派生としてWakatteTVのような学歴厨が生まれる。
ところが、面白いことに世間の認識として一度会社に入ってしまえば「出身大学なんて関係ない、実力だ」なんて言い始めるわけだ。世間もそれを当然のように受け入れる。もちろん仕事の現場では大学名より能力が重要なのは事実。
じゃあなぜ企業はこぞって大学フィルターをかけるのか。この矛盾に誰も本気で突っ込まないんだよね。
WakatteTVを一つ潰したところで、この矛盾した構造にメスを入れなければ第二、第三のWakatteTVがすぐに現れるだけ。構造が同じなら似たような人間がまた出てくるに決まっている。
さらに面白いのは、これが日本だけの問題ではないという点ということ。
知っての通り、中国や韓国はもっと過激な学歴社会。もちろん欧米も例外ではない。アメリカのドラマ『Suits』を思い浮かべてほしいんだけど、主人公が勤める法律事務所はハーバード出身でないと入れない世界として描かれている。フィクションとはいえあそこに描かれている空気は現実の延長線上にある。
つまりこれは日本特有の病理ではなく、かなり根深いものだと思う。
学歴フィルターを温存したまま「学歴厨はけしからん」とだけ叫んでも何も変わらないよね。むしろフィルターをかけ続けている側の矛盾を放置している方がよほど問題だと思う。
僕はWakatteTVのやり方を肯定しない。でも、彼らをスケープゴートにして満足するだけではこの構造は永遠に続く。本当に変えたいなら入口のフィルターの方に目を向けるべきだと思う。
