コンビニや飲食店の店員をロボット化するのは今の技術で十分可能だし初期投資さえクリアすれば人間より安く済む


ロボットに仕事を奪われる論は以前からありますが、一番槍玉に上がるのがタクシーやバスの運転手ですね。自動運転に取って替わるってやつです。

ただ、個人的には自動運転技術はまだ先の話で、複雑な市街地を行き来するような運転技術は(少なくとも日本では)かなりハードルが高いと思っていて、今の運転手の人たちが生きているうちはまだ安泰なんじゃないかなって思います。

タクシーは人工知能よりも運転代行業に脅威に感じたほうが良いですよ。代行って2人組なのにタクシーより安いんです。なので飲み会は車で行って帰りは代行にした方が駐車料金を払ってもタクシーより安いってことになってしまっていて、どちらかというとそっちの方が脅威だと思いますね。都心はともかく地方では代行の方がコスパ良いんです。

ということで、タクシーやバスはロボットに脅威を感じる必要はなく、むしろ飲食店や小売店の店員とか倉庫の作業者とかの方が脅威に感じるべきだと思うんですね。

倉庫作業は着実にロボット化が進んでいる

これなんか典型的で、倉庫作業を数台のロボットがやっています。


これなんかすごいです。


Amazonの倉庫なんかもロボット化が進んでいるし、そもそも日本の企業でも棚から在庫商品を引張ってくるのはロボットだったりします。

僕も25年も前の学生時代に、とある大手運送会社でバイトしていたことがありましたが、荷物のエリアごとの仕分けは機械が伝票をスキャンしてやっていて、エリアごとの細かい地域別の仕分けは人間がやっていました。

郵便局のはがきの仕分けも昔から機械がやっていますね。

そういう仕分け系の仕事はとうの昔からロボットに替わっています。

なので、仕分け作業をメインとする倉庫作業はもう少し投資すれば完全ロボット化は今の技術でも十分可能だと思います。

最近ではコンビニやスーパーのレジも無人化が進んでいるし、都内で実験的な無人コンビニが現れてるし無人化も時間の問題でしょう。

必要は発明の母じゃないけど、人手不足で首が回らなくなってきた飲食店や小売店は今後急速にロボット化が進むのだと。

たぶん移民政策よりもロボット化の方が早いんじゃないかなって思います。

ロボット化は採算が取れるのか?…計算してみた

で、じゃあなんで今までロボット化が進まなかったのかというと、単純にお金の問題だったんだと思います。

初期投資がやはり大きくて、そんなリスクを負うより人間を雇ったほうが経営的に安全だったからに過ぎません。

初期投資さえクリアすればランニングコストは明らかにロボットのほうが安価に済みます。

どれだけ同型機を量産化できるかにもよりますが、一般的な産業ロボットは1体1500〜2000万円です。もしこのレベルで販売できるのなら購入した企業では年間の減価償却は年20%として300〜400万円/年となります。

常に忙しく動くロボだと3年目くらいから故障したりするので保守費は見込んでおく必要があり、年50万から、7年目くらいで年200万円とかになるんじゃないかと。

で、耐用年数はがんばって10年。(会計上の耐用年数は5年)

このロボットへ支払うP/L上のコストは減価償却込みで年400万円と見て、人と違って24時間働けるので1台で3工数働けるわけですね。

計算上、年収100〜130万円くらいの人を雇うのと同じなわけで、アルバイトと同じくらい。人間は夜勤で時給が高くなるので人を雇うよりは微妙だけど安いことになります。最低賃金問題もないし。

ちなみに減価償却が終わった6年目以降は年収70万円以下レベルになります。こうなればロボットの方が俄然安くなりますね。ロボットは耐用年数が鍵です。

問題は初期コスト(キャッシュ)が人を雇うよりべらぼうに高いので、そこが企業にとっては高リスクになって今まであまり進まなかった理由だったんじゃないかと。

で、今となっては人手不足が喫緊の課題となった小売店や飲食店で、資金のある大手企業がようやく乗り出したってかたちになったわけですね。

大手企業でロボット化が進んでロボットが安価になってくれば中小飲食店や小売店も手を出してくると思うので、ロボット化はこれから進んでいくと考えます。

少子高齢化は負の面ばかり話題になるけど、こういう正の面もあります。

ちょうど原油価格が上がるという負の面がハイブリッド車やEV車の台頭を後押ししたように。

介護業界にロボットは導入されるのだろうか?

人手不足といえば小売・飲食以上に介護業界も深刻で、僕らのような団塊ジュニアがお世話になる頃には今の人手不足なんか問題にならないほどの惨状になるんじゃないかと思います。

なので、個人的にもロボット化が進んでほしい業界ではありますが、残念ながら大手企業ないので(ワタミくらいか?)、初期投資というハードルが足かせになって今のところなかなか進まないんじゃないかなって思いますね。

ただ、勝手なことを言えば、老人をベットから車椅子に乗せかるのなんか端からみて大変に思えるんだけど、ベットに車椅子機能を持たせてしまって、その辺りを人間が介在せず簡単に機械で実現できるんじゃないかと思ったりします。

ベットが自動で車椅子のように変形して更に散歩として自動運転で決められた敷地内のルートを一周するまでを完全無人化するとか。それくらいできそうな気もしなくもないなって思います(適当)。時折りの会話も要所要所でPepper君を配置しておくとか(超適当)。

抱き起こしているときに老人に噛まれたりするって聞くし、その辺の細かいニーズをロボットに替えていけば徐々に改善していくんじゃないかなって思いますね。

いずれにしても初期投資が大きいので中小が多い介護業界では難しいのかな。でも、こういうのって大学と連携して進めてほしいですね。(地方に福祉系の大学が多いけど、こういう研究はやってくれないのかな?)

初期投資リスクを人手不足問題が上回った時がロボット化の始まり

日本で自動運転とか画像認識とか人の行動パターンとか、そういう人工知能の研究が進んでいるわけだけど、世論的に社会実験が許されているアメリカとか中国(中国は力関係が世論<政府だからなのだけど)には勝てるはずもないので、日本独自の路線を進んでほしいなとは思います。

この先少子化が進んで人手不足になることは目に見えているので、かと言って移民政策も多くの人が反対するだろうし(そもそも欧米でうまく行っていないのを見ているので個人的にも反対)、ロボット化しか日本には解がないと思うんですよね。

なので、移民政策で政府関係者のリソースをかけるより、ロボット化に人も予算もかけてほしいなって思います。

ロボット産業って実は日本の独壇場なので、日本の強み活かせるしその方が明るい未来になってくれるかなって思います。