Twitter見ていると若い人なんだろうか、80年代、90年代に羨望の眼差しを向ける人が多いみたいです。
給料が安定していて、終身雇用で、おおらかな時代だったと。
まるで、昭和30年代の「ALWAYS 三丁目の夕日」みたいな認識でいるんですね。昭和30年代も犯罪率の高さや差別など闇の部分がかなり多くあったのに、それを隠すようにおおらかな時代だったと後世は伝えてしまっているわけで、それとすごく似ているなと思ったわけです。
90年代に大学を卒業して社会に出て会社で20代を過ごした僕が、90年代を一言でまとめると、
クッソブラックだったぞ。
日本総ブラック時代だったと言っていいと思う。
今でこそワークライフバランスなんて言って、大企業中心に労働環境を良くしていこうって動きがあるんだけど、当時はそんな言葉も意識もなく、日本中の企業が今のブラック企業顔負けだったわけです。
自殺者は出なかったのかって?
出ましたよ。ただニュースにはならなかったけど。もみ消したのかニュースバリューがなかったのか(多すぎて)。
僕はというと、
- 残業月150時間は軽く超えた。
- それでも周りと比較して少ないほうで200時間超えはザラ。
- 休みは3ヶ月に1日あるかないか。
- 残業手当は5時間程度。上司から締め日に「今月は○時間ね」と通達があった。
- 夜中に会社の呼び出しの電話あり。かなりの頻度。
- なので常に寝不足。
- なによりそれが当たり前だと思っていた。
これでもまだマシな方で、うちの親会社はもっとひどくて、プロジェクト案件で常駐していたことがあったけど、夜中の2時に部長以下全員事務所にいて普通に会議やっていました(笑)。それにつきあわされたけど、「ああ、この会社に就職しなくて良かった」と安堵したものです。
ちなみにその親会社は何年かに1回自殺者が出ていました。仲良くなった同世代の親会社社員に上を指さされて「この上から飛び降りた人がいる」って教えてくれたっけ...。
なんて狂った時代だったんですよ。
家庭なんて顧みることすら許されなかった時代です。
90年代ですらそうなんだから、80年代なんて押して知るべし。うちの父親は毎日夜中11時過ぎに帰ってきたそうだし休日にもいなかったし。それと80年代は土曜日は平日だったしね。
たしかにかつては終身雇用色が今よりずっと濃かったし、非正規雇用はいないわけじゃなかったけど今よりずっと少なかったけど、イコールあの時代が羨ましいって短絡すぎなわけです。
その時代を行きてきた僕からすると、今のほうが健全だしチャンスさえ掴めば幸せになれる可能性はずっと高いと思うんですよね。
そんなにかつての時代にしたいですか?僕はごめんですね。