製造エンジニアの僕目線でホワイトカラーの生産性がなぜ生産現場と違って悪いか解説するよ

 


僕はとある業界の製造エンジニアを20年以上やっています。


日本の製造現場の生産性は高いけどホワイトカラーの生産性が悪いと言われて久しいけど、それについて製造エンジニアの僕の目線で語ろうと思います。


とりあえず、日本の品質やサービスが過剰だって話は横においておきます。たしかに大きな原因ではあるのだけど今回は主旨が違うので。それを割り引いてもやっぱりアホな仕事してるなーと思うところ多々あるので、今回はそこにフォーカスした話になります。


なぜ製造現場は効率が高いのか

一言で言えば、「現場作業員の都合を無視してガンガン改善してきた」から。


現場作業には彼らなりの都合や人間関係があり、それが阻害となって効率を落としていることがあったわけですが、僕ら製造エンジニアはそんな都合を無視して変えてきた歴史があります。(もちろん多少は考えたり彼らの気持ちを踏みにじらないよう配慮してきたけど最終的には変える)


今でこそ20年以上の経験と年齢も年齢なのであまり文句言われなくなったけど、若い頃は現場から罵倒されたこともありました。が、正義はこちらにあると信じていたし、現場でもリーダー格の人たちは改善意識が高いので間に入ってもらったりして助けてもらいながら進めることができました。


ピントのずれたことも言ってきてしまったことも多々あったけど、玉砕して粉々になる前に修正できる環境が製造現場にはあったのも大きかったですね(それには現場のリーダー格の存在は大きい)。


これはうちの会社に限らず製造現場では普通のことで、トヨタをはじめとする自動車会社はうちなんて甘いと思うくらいガンガンにやっていることでしょう。


人は変化に順応するのにある程度時間を要するのと、この時間は人の性格によってまちまちなので、それを考慮しすぎると何も変えられないんですよね。


これが製造現場のリアル。


なぜホワイトカラーの生産性は上がらないのか

ここまで書けばわかると思うけど、改善される側にとっては改善は面倒なものでしかないのと、権限の強い上位組織が改善を担わないと成功しないのです。ホワイトカラーにはそれがないんですよね。


有無を言わさず頭ごなしに改善させる上位組織が。


もちろん、本社の管理部門から改善チームとかが送られてくるケースがあります。あるんですが、あくまでホワイトカラー同士。原則対等な立場なので気に入らなければ拒否できちゃうし、彼らも門外漢の後ろめたさがあって遠慮するし。


「改善しようとすると文句を言うやつの力が強い」という環境なのでなかなか改善できないわけです。


ちなみにちょっと前に、とある部門でなんとも不効率な業務があって少し携わる羽目になったので、イラッと来て「なんでそんなアホみたいな仕事しとんねん」とメールで送っちゃったことあったんですよね。


それが全員返信だったもんだから、相手のマネージャーがすっ飛んできて、こうじゃなきゃいけない理由をくどくど説明してくれました...。まあ、これじゃ効率上がりませんよねぇ。


生産現場でそんな作業見つけたらエンジニアが課長に怒られます。すぐ改善せいと。で、改善した作業を現場にやらせて、あまりうまく行かなかったら再度見直すと。そういうサイクルが昔から連綿と続いているのが製造現場。それがないのがホワイトカラーです。


もし生産性を上げるとしたら..

うちの会社だけじゃなく日本全体でホワイトカラーの生産性が悪いって言われているので、どの企業でも似たようなもんじゃないですかね。


欧米企業だとどうなんでしょう。会社が命じた業務フローを文句なく忠実にやっているのでしょうか。従業員個人個人に任せただけでは日本企業と同じになってしまうわけで。


日本企業って良くも悪くもボトムアップ文化だから、こういう問題が起きるんですかね。


おそらくこんな状態を打破するには、外部から専門のコンサルを呼んでくるしかないんじゃないかと思います。