こういう世間の意識を変えようとする活動は良いと思うし、ましてや高校生という若者が声を上げているとのことで、僕みたいなおっさんがとやかく言っちゃいけないんだろうなとは自覚しています。
その上で1つ言うと、こういうネーミングが成立しちゃう我々中年世代に批判の矛先を向けたらもっと良かったのになって思ったりします。
この商品のターゲットが働き手の30代、40代の独身だと思うんですよね。ファミマの商品企画部はこういう連中に目が止まるようなネーミングを付けようとがんばって頭ひねったと思うんです。で、出てきたのが「お母さん食堂」ってわけで。
つまり、『お母さん=料理・家事』をするというイメージは、この世代のおっさん、おばさんが持っているわけで、こいつら(僕も含む)こそ批判すべき相手なんじゃないかなって思うわけです。
まあ、それでもこういった声を上げることで、今すぐにはイメージ変えられないけど彼らが大人になって結婚する頃には今よりずっと家事育児が夫婦分担できるようになっているんじゃないかな。今回の批判は次の世代にジワジワ影響すると思うのでやって意味なくはないと思います。
ちなみに、うちは完全に夫婦共働きの家事分担。もしかして僕のほうが家事育児の割合多いかも。朝の朝食と土日の家事はフル。今は子どもたちが冬休みなので朝に昼食まで作ってから出かけています。朝の洗濯も僕の仕事。奥さんは朝めちゃ早いので。特に違和感なく普通に家事分担できていますね。僕的には奥さんが働いてくれたほうが世帯収入が上がるので今のスタイルの方がいいと思っています。
ところで、僕は「お母さん食堂」って聞いてパッと思い浮かんだのは自分の母ではなく、テレビとかで紹介するおばさんが切り盛りしている質素な食堂(安くて大盛りでめちゃうまい)だったんですよね。みんなはどうイメージしたんだろう?
それとはちょっと違うんだけど、似たような話で「嫁」という言い方が時代錯誤な男尊女卑だと。「女」と「家」を結びつけているからなのかな。だとすると、「奥さん」も「家の奥」とも取れるし、「妻」も女が下に位置しているとか、「家内」もダメになりますね。
一方で男はどうかと言うと、「夫」は「人夫=力仕事をする労働者」と言う意味だろうし、「旦那」は元々はパトロンって意味だし、「主人」は上下関係が生じるわけで、どれもNGワードな気がします。
僕的には呼び方はもう使い慣れたものなので、元々の意味はもうあまり気になりませんね。うちの奥さんも外では僕のことを「旦那」って言っていますが特に気になりません。同じ意味でも「ATM」って言われたら嫌ですけどね。
元々の意味を考えると「旦那」も「ATM」も同じであるわけで、その意味だけ切り取ればこっちだって「そんな言い方ねーだろ」って文句も言いたくなります。でも現実は旦那って言われて特に気になりません。古くから良い慣れた呼び名でもはや単なる記号と化しているのでいちいち元の意味をイメージしないからです。
ベルサイユ宮殿は有名な観光スポットだけど元は血塗られた過去があるわけで本来喜んで行くべき場所ではないんです。ところがみんなそんな事考えずに訪れます。要は歴史の長さで浄化してくれるんですよね。血塗られた歴史を持つはずのベルサイユ宮殿も単なる観光スポット。「嫁」も「旦那」も「奥さん」も「夫」もすでに浄化された単なる記号と思っていいかなと思うんですよね。