なお、僕はその仕事のできないおじさんかどうかはとりあえず棚上げしておきます。(そうかもしれないしそうじゃないかもしれないし。ていうか、そういうおじさんはそもそも自分が仕事できないってわかっていない。)
まず、すごく仕事のできるおじさんが存在していた
この仕事のできないおじさんが出世するための出発点として、過去にすごく仕事のできるおじさんが存在していたという前提があります。
これがそもそもの始まり。仕事のできないおじさんの出世ストーリーにはこの仕事のできるおじさんの存在が不可欠です。
その人は仕事バリバリで豪腕でみんなを引っ張っていって会社に多大な利益をもたらす存在でした。
そして当然みんなにとって怖い存在でもあります。
仕事はできるので部下や後輩は頼りにしますが親密にはなれません。怖いので。飲み会でもお仕着せの会話しかしないわけです。
仕事のできるおじさんは頭がいいのでこの置かれた状況を把握できているのでしょう。でも仕事の成果を優先するのでこの距離感は仕方ないと思うわけです。
これが第一段階。
で、突如心許す部下が現れる
たまーにいるんですよね。仕事のできるおじさんの懐に入り込んでいく部下が。その人は打悪な気持ちはなくナチュラルに接するんです。すごく従順なタイプです。
従順なので仕事のできるおじさんの指示を疑いもなくやり進めるので一件仕事ができるようにも見えます。単に従順なだけなのですが忠誠心はものすごく強いです。
仕事のできるおじさんは仕事ができるとはいえ人間ですから仕事で心をすり減らしています。そんな中に現れた心許す部下に癒やしを感じます。精神面で助けられるので仕事のできるおじさんはさらに仕事に邁進できるようになります。感謝の気持ちが芽生えます。
ここまでが第二段階
そして上司に推薦しだす
最後の段階では、仕事のできるおじさんが上司に従順な部下がどれだけ仕事ができるか宣伝しはじめます。コイツのおかげでどれだけ仕事が進んだかと。実際は仕事のできるおじさんがやっただけで、従順な部下は癒やしただけなんですけどね。
でも、その恩義から過剰に推薦します。このあたりに鳴ると周囲は「あれ?」って気づき始めます。僕も何回見てきたことか。
で、仕事のできる上司から引き上げられたかのようにある程度のポジションまで上がります。
これが仕事のできないおじさんが出世する流れとなります。
従順で指示には忠実ですが上になった途端にダメになります。マニュアル通りにしか動けません。若い人はそれまでの過程を知らないので「なんで??」って思うかもしれませんが。
まあ、最近は見なくなったけどね
とはいえ、最近は見かけなくなりましたね。上記で例に挙げた仕事のできるおじさんですが、このようなアクの強いおじさんが最近はいなくなったからかもしれません。
昔はいましたからね。飲み会になると上の人間にやたら露骨に推している姿を見たものです。ある人は部長になった際に取締役レベル(かつての仕事のできるおじさん)が出てきて、〇〇をよろしくと挨拶回りする姿もありましたね。
特に大企業となるととにかく人が多くて上から下まで層が厚いので推挙が重視されがちです。最近は露骨な推挙は見られなくなりましたが、出世した事後とのおじさんの製造過程をおわかりいただけたでしょうか。