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高齢者の介護についての記事を読んでいてふと思ったのは、介護施設に入るという選択肢はもちろん必要だと思うけど、施設に入ろうと思えば、それなりのお金がかかるわけで、入居一時金や月々の費用を考えると誰でも気軽に入れるものでもないってこと。
それと、介護する側も人手不足で、高齢者が増えていくのに介護士は足りない。施設を増やそうにも、そこで働く人がいなければどうにもならない。なかなか厄介な問題だと思う。
そこで、個人的にちょっと思ったのは(だいぶ違う方向だけど)「高齢者を施設に集める」のではなく、「高齢者の自宅を見守り可能な家にする」という発想はどうなのかなと。
例えば自宅の廊下や階段、リビング、玄関などにカメラやセンサーを設置する。AIには普段の生活パターンを学習させて、いつもと違う動きを検知してもらう。朝になっても起きてこない、いつもなら数分で出てくるトイレからなかなか出てこない、廊下で倒れているように見える、夜中に何度も徘徊している、といった変化をAIが拾って家族や介護事業者に知らせる。
ここで大事なのは、AIに100%正しい判断をさせようとしないことだと思う。AIなので当然ながら誤検知はある。なので、最初から「AIは間違える」という前提で人間が補う仕組みにしてしまう。例えばAIが「転倒の可能性があります」と判断した場合、安いプランなら家族のスマホに通知する。もう少し料金を払えば、オペレーターが映像を確認する。さらに上のプランなら必要に応じて家族や介護事業者へ連絡する。AIだけに任せるのではなくAIが怪しいものを拾い人間が最終的に判断するって仕組み。
これだと介護施設に入居するより安く済むんじゃないかなと。
それでも心配なので、毎日1回、本人にボタンを押してもらう仕組みもあっていいかな。「今日も元気だ」という安否確認のつもりで。
もしボタンが押されなかったとしても、それだけで異常とは判断が難しいので、AIがベッドから起きている、冷蔵庫を開けている、廊下を歩いているなどの情報と合わせれば、「ボタンは押されていないけれど、普通に生活している」と判断できるわけで。
逆に、ボタンも押されない、家の中の動きもほとんどないとなれば、そこで人間が確認する。こうして考えると意外と単純な仕組みでもかなりの部分をカバーできるのではないかと思う。
ただ、家中を監視カメラだらけにするのはさすがに抵抗がある。なので、トイレと風呂、そして本人が指定した1部屋は「プライベートゾーン」としてカメラを設置せず、ここだけは監視されない場所として残しておく。一方で、転倒などの危険が比較的高い廊下や階段にはカメラを設置する。トイレや風呂については、ドアセンサーや人感センサー、滞在時間、温度や湿度などを使って異常を判断する。「家の中を全部監視する」のではなく、「必要なところだけ見守る」という考え方だ。
さらに、家族はスマホからリアルタイム映像や保存映像を確認できるようにする。遠くに住んでいる家族が仕事の合間にスマホを開いて今日も普通に動いているかどうかを確認できれば、それだけでも多少は安心できると思う。
もちろん、誰でも見られるようにするのではなく、本人が誰に映像を見せるのかを決められる仕組みは必要になるけど。誰が、いつ、どのカメラを見たのかというアクセス履歴も残したほうがいいだろう。
ここまでやると、「それって結局、監視社会じゃないの?」という話も出てきそう。高齢者本人からすれば自宅にカメラを置かれるわけなので、便利だからという理由だけで納得してもらえるとは限らない。一方で、遠くに住む家族からすれば何かあったときに気付けるという安心感はかなり大きい。この両方をどう折り合いをつけるのかは技術以上に難しい問題かもしれない。
それでも、介護士不足や高額な施設費用を考えると、こういう選択肢があってもいいように思う。もちろん、これで介護士不足が解決するわけではない。入浴、食事、排泄、着替え、身体介助など人間にしかできない仕事はたくさんある。ただ、介護士が「何も起きていないか確認するためだけに巡回する」という部分をAIやセンサーに任せられれば、人間は本当に手助けが必要なところに集中できるかもしれない。
100人の高齢者を人間が常時見守るのではなくAIが100人の生活を見ていて、異常がありそうな数人だけ人間が確認する。そんな形なら介護士1人が担当できる人数を増やせる可能性もある。
介護士を「ずっと見守る人」から「必要なときに対応する人」へ変えていくわけだ。そう考えると、AIの役割は介護士をなくすことではなく、介護士の時間を少し取り戻すことなのかもしれない。
そして、施設に入るために高額な費用を払うのではなく、自宅に見守りシステムを導入して月額料金を払うという仕組みも考えられる。AIだけの安いプラン、人間が確認するプラン、緊急時の連絡まで含めた高いプラン。利用者が必要なレベルに応じて選べるようにする。施設に入るか、自宅で完全に一人で暮らすか。その二択しかない現在の状況に、もう一つくらい選択肢があってもいいんじゃないかと思う。
もちろん、実際に事業としてやろうとすれば問題は山ほどあるんだろうけど。AIの誤検知、センサーの故障、通信障害、プライバシー、個人情報、映像の管理、事故が起きたときの責任、介護事業者との連携など、考え始めると結構面倒くさい。特に「AIが大丈夫と言ったから何もしなかった」という状況で事故が起きたら、誰が責任を負うのかという問題は避けて通れない。
なので、「これで介護問題は解決だ」なんて話をするつもりはなく、ただ、介護士が足りない、施設は高い、でも高齢者本人はできれば住み慣れた家で暮らしたい。そんな状況を考えると、介護施設を増やすことだけではなく、「介護できる家を増やす」という方向も考えてみていいんじゃないかと思った。
老人ホームに高齢者を集めるのではなく、自宅を小さな介護施設のようにする。AIが見守り、人間が必要なところを助ける。家族は遠くからでも様子を確認できる。そんな仕組みが当たり前になれば、介護の形も少し変わるかもしれないなぁと。
まあ、僕が思いつきで考えてみただけなので、実際にやろうとすると「そんな簡単な話じゃない」ことは理解できる。ただ、介護の問題を考えるときに、「施設を増やす」「介護士を増やす」だけではなく、「そもそも施設に入らなくても済む仕組みを作れないか」と考えてみるのも悪くない気がする。
